『あなたの武器は今も同じ効果を発揮していますか?』
前回のコラムでは、パブリックイメージについてお話ししました。
自分が周囲からどんなキャラクターとして認識されているのか。
それを理解することは、オーディションで「この人を起用する理由」を伝える上でも大切です。
今回は、その続きです。
もしオーディションで、10代の役者がこう言ったらどうでしょうか。
「私の武器は元気さです」
きっと多くの人が納得すると思います。
元気で、一生懸命で、フレッシュ。
そんな姿は、それだけで魅力になることがあります。
では、30代の役者が同じように、
「私の武器は元気さです」
と言ったらどうでしょうか。
もちろん元気なことは素晴らしいことです。
ただ、それだけを聞くと、少し物足りなく感じる人もいるかもしれません。
元気さが悪いわけではありません。
見る側が、その年齢の役者に別の魅力も期待しているからです。
例えば、
経験から生まれる視点。
自分で考える力。
作品や相手役への理解。
現場での安心感。
そういったものです。
これは元気さが武器ではなくなった、という話ではありません。
同じ武器でも、相手に与える印象や効果が変わったという話です。
本人は変わっていないつもりでも、周囲が期待するものは少しずつ変化していきます。
役者を続けていると、昔評価されたことを武器として持ち続けることがあります。
それ自体は悪いことではありません。
むしろ大切な財産です。
ただ、一度考えてみてほしいのです。
その武器は今も同じ効果を発揮しているでしょうか。
10代の頃に魅力だったもの。
演技を始めたばかりの頃に評価されたもの。
それらは今も武器かもしれません。
でも、同じ形のまま使うだけでは足りなくなっているかもしれません。
前回は、
「あなたは自分のパブリックイメージを理解していますか?」
というお話をしました。
今回はもう一つ質問です。
あなたが武器だと思っているものは、今のあなたにどんな印象を与えているでしょうか。
そして、その印象は自分が思っているものと同じでしょうか。