『個性』ってなんだ?~後編~
「どうやったら個性が出ますか?」
これは、レッスンでとてもよく聞く質問です。
そもそも個性というのは、「人と違うことをやること」ではありません。
何が気になるか。
どこで引っかかるか。
どんなところに反応してしまうか。
そういった気持ちの動きが、その人の個性になります。
たとえば、人の芝居を見ていて、「自分はそこが気になるな」と思うところ。
同じ台本を読んでいるのに、「そのセリフ、気になるな」と感じるところ。
他の人は流しているのに、自分だけ引っかかってしまう部分。
そういうところに、その人らしさがあります。
でも、いきなり個性を出そうとしなくていい。
まずは、普通をやること。
台本に書いてあることを守る。
役の役割を守る。
芝居のルールの中に、きちんと立つことです。
スポーツで言えば、スリーアウトでチェンジ。
ピッチャーはマウンドから投げる。
このルール(普通)があるからこそ、フォームやプレーに「その人らしさ」が見えてきます。
普通だけをやっていると、正しくはなりますが、少し物足りなくなることもあります。
でも、普通を飛ばして個性から始めると、「一緒にやりづらいな」と思われてしまうこともあります。
普通を知る。
普通をやる。
その途中で、「どうしてもこう感じてしまう」という反応を大切にする。
普通は知識。
個性は気持ち。
この二つがそろったとき、その人らしい芝居になります。