「都合のいい受け取り方」が、成長を止めてしまうとき
映画やドラマを観ていると、「この芝居、好きだなぁ」と思う瞬間がありますよね。
その気持ちはとても大事です。
でも、もし「好き」な部分だけを見て、「やっぱりこれでいいんだ」と思ってしまったら……そこで成長が止まってしまうこともあります。
本当は、少し苦手な表現や「自分にはできないな」と感じる芝居の中にも、次のステップへ進むヒントがたくさん隠れています。
けれど安心できるものばかりを選んでいると、その“種”に気づけないまま、同じ場所をぐるぐる回ってしまうんです。
今は、SNSや動画で好きなものだけを見ていられる時代です。
嫌なものを避けても生きていける。だから、耳の痛い言葉や厳しい意見に出会ったとき、思わず目をそらしたくなるのも自然なことです。
でもね、「いつか誰かがチャンスをくれる」と待っているだけでは、自分の力は育ちません。
芝居はひとりで完成するものではなく、相手役やスタッフさん、観てくれる人がいて初めて成立するもの。
だから、「今の自分を認めてほしい」だけで止まってしまうと、相手にも届かなくなってしまうんです。
じゃあ、どうすればいいか。
たとえば、自分の好きな作品のレビューを読んでみるのもいい方法です。
星5だけじゃなく、星1や2の意見も見てみると、「なるほど、こういう見方もあるんだ」と思える瞬間があります。
友達と同じ作品を見て話してみるのもいいでしょう。
そうやって少しずつ、いろんな角度から物語を感じ取る力がついていきます。
結局のところ、成長していく人は「自分にとって都合の悪いこと」もちゃんと受け止められる人。
それを学びに変えられる人です。
今の自分を守るよりも、未来の自分を磨くために。
痛い言葉を怖がらず、そっと受け取ってみてください。
そこに、きっと次の扉があります。